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水戸地方裁判所 昭和45年(ワ)324号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕将来の逸失利益

原告の本件事故による後遺障害は前記の如く自賠法施行令別表五級三号に該当し、これを労働省労働基準局長通牒昭三二・七・二付基発五五一号の労働能力喪失率表にあてはめれば、その労働能力喪失率は七九パーセントである。しかしながら、実際の労働能力の喪失率は同表によつて抽象的に算出せらるべきものではなく、これを参考としたうえ、さらに事故後の現実の稼働状況および潜在的な稼働能力等をも加味して具体的に評定せらるべきものである。ところで、証人秋葉くしの、同川又幸枝(後記措信しない部分を除く)の各証言、原告本人尋問の結果(後記措信しない部分を除く)に水戸公共職業安定所および茨城県農林水産部教育普及課に対する各調査嘱託の結果を総合すれば、原告は切断した右脚に義足をつけ、事故後一年を経過した頃から雇人二人とともにトラクター運転その他の農作業請負に従事して来たが、収益は事故前のそれの半額程度であること、右農作業請負は営業としての永続性もあること、原告は昭和二年七月一〇日生れであることが認められ、証人川又幸枝の証言中および原告本人尋問の結果中右認定に反する部分はにわかに措信し難いところである。以上の各事実を総合すれば、原告の本件受傷による労働能力喪失率は五〇パーセント程度であると認めるのが相当である。

しかして、原告が休業期間を経過し、労働可能となつた昭和四五年一〇月二一日頃の原告の年令は満四三才であるから、この場合の就労可能年数は原告主張の如く二〇年を下ることはないものと認められる。ところで、前記認定の如く、原告の事故当時の年収は少くとも金七五万円程度であるから、これに右喪失率を乗ずると一年間の損失額は金三七万五千円となる。よつて、ホフマン式計算法(複式)により中間利息を控除して右就労可能期間中の逸失利益額の現価を算出すれば、金五一〇万六千円となる。

(太田昭雄)

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